
代表 Sudre Nicolas(シュードル 二コラ)様
ワイン輸入事業を、一緒に育ててきた

Sudre Nicolas(シュードル 二コラ)代表
貴社の事業内容や沿革について、簡単にご紹介いただけますか?
AES JAPON(エーイーエスジャポン)株式会社は、ワインの輸入・卸売・小売を手がける企業として22年前に創業しました。福岡を中心に8店舗のワインショップを運営しているほか、レストラン経営もてがけています。主に自社のワインショップやレストランで販売するワインをフランスから輸入しています。
西久大運輸倉庫さんには、輸入時の通関から保税倉庫での管理、トラック運送、ラベル貼付など、弊社の物流の多くに関わってもらっています。
弊社とお取引いただいたきっかけや経緯などを教えてください
実は、西久大運輸倉庫とのお付き合いは約30年前にさかのぼります。
私が岩田屋に勤務していた1991年ごろ、ワインの輸入卸・小売ライセンスを取得した際に、西久大運輸倉庫の前社長と話し合い、一緒に輸入事業をスタートしたのが始まりです。
その後、独立してからも信頼関係があったため、引き続き取引を続けています。
当時はどのような課題を抱えておられたのでしょうか?
私は外国籍で日本語が流暢ではなかったこともあり、日本の複雑な輸入規制や通関制度に不慣れでした。
フランスにいた当時は、アメリカからの商品を輸入した経験がありました。しかし、日本はまったく異なるルールだったため、法律面でのサポートが必要だったのです。
そうした状況の中で、ワインの輸入事業を始めることになったのですが、西久大運輸倉庫さんには、率先して色々なことを調べていただき、事業化に向けて多大な協力をいただきました。
事業運営で出てくる課題を、いつも一緒に考えて解決を目指してくれる

当社 海外事業部 通関課 課長 木村〈左〉と、AES JAPON 代表 シュードル・ニコラ様〈右〉
現在は、どのようなサービスを利用されていますか?
まず、博多港に届いたワインを外国貨物としてそのままドレイジ輸送して保税倉庫へ搬入してもらいます。
その後、食品検疫申請をして、輸入通関をしてもらいます。
通関後は、国内貨物として西久大運輸倉庫さんの倉庫で保管してもらい、ラベルの貼り付けや組み立てなどの流通加工をしていただき、最後にピッキング・出荷対応までお願いしています。
30年以上、弊社とお取引いただいている理由は、何でしょうか?
輸入関連の仕事は、信頼がないと成り立ちません。西久大運輸倉庫は全体的に細部までチェックしてくださり、ミスがほとんどないので、長年に渡って信頼関係を築くことができています。
また、問題が生じるたびに相談し、一緒に対策を考えてくれる点が素晴らしいと思います。
例えば、リーファーコンテナ(冷蔵コンテナ)が不足している場合には、ドライコンテナを使用する際の温度記録取得のための申請方法を教えていただきました。
その他には、例えば重量制限などの規制変更など、法律が変わる度に対応策を提案してくれます。
東京から博多への輸送方法についても、鉄道輸送との組み合わせなど、1本あたりの運送コストを下げる工夫をしてくれています。
オーダーメイドの物流サービスで、アウトソースのメリットが大きい
その他に、弊社と取引いただいて良かった点や驚いた点などがあれば教えて下さい
実は、コロナ前は自社で倉庫を保有しており、トラックの運転手も雇用していたのですが、ドライバーの労働時間規制の影響などもあり、物流業務をすべて西久大運輸倉庫さんに委託することにしました。
西久大運輸倉庫さんにお任せした結果、まず在庫管理が完璧になりました。
また、宮崎から広島までの広範囲にある自社店舗への物流も可能になりました。もし自社だけで物流をまかなおうとすると、店舗を拡大する場合、店舗だけでなくそこまでの物流構築も必要になります。
しかし、西久大運輸倉庫さんに物流をお任せしたことで、店舗展開や会社の成長に合わせて、物流範囲を素早く拡大できるようになったのは、大きなメリットだと思います。
先ほどお話しした通り、弊社は輸入時の通関から運送、ラベル貼りなどの流通加工など、複雑で多岐にわたる業務を、オーダーメイドのような形でサービス対応してもらっています。
弊社からの課題に対して、いつも前向きに解決方法を提案し続けてくれた結果だと感じています。
事業をさらに成長させていくために、欠かせないパートナー
今後、西久大運輸倉庫に期待されることはありますか?
現在、トランプ関税の影響で物流に乱れが生じています。ワイン自体の製造はフランスで行われていますが、肥料などフランス国外からの調達もあるため大きく影響しています。
また、スエズ運河の船の運行ができないことで、船が喜望峰を迂回しているため、船運賃も上昇し、日本への到着にも日数がかかっています。その状況を少しでも改善するため東京港への少量輸入からのJR輸送などを始めています。
今後も西久大運輸倉庫さんと一緒に考え、関税や酒税などの細かい分野についてもアドバイスを受けながら、より効率的な輸入方法を見出していきたいと考えています。
パナマ運河やスエズ運河の状況が改善され、物流が正常化することで、以前のように定期的な輸入量に戻れることを願っています。
最後に、西久大運輸倉庫との取引を振り返っていかがでしょうか?
西久大運輸倉庫との30年近いお付き合いの中で、物流や通関のパートナーとしてだけでなく、事業成長のサポーターとしても大きな支えになっていただきました。
物流、保税倉庫、通関業務といった専門分野を完全にアウトソーシングできることで、本業に集中でき、自社の成長に合わせた柔軟な物流網の構築が可能になったことが最大のメリットだと感じています。
これからも長期的なパートナーとして関係を続けていきたいと思います。