
パルプモウルド事業部 製造部 鞍手第一工場 工場長 宮内様
パルプモウルド事業部 製造部 鞍手第一工場 小南様
トラックドライバーの2024年問題に対応するための物流手段を探していた

パルプモウルド事業部 製造部 鞍手第一工場 小南様〈左〉と、パルプモウルド事業部 製造部 鞍手第一工場 工場長 宮内様〈右〉
貴社の事業内容や沿革について、簡単にご紹介いただけますか?
当社は1925年創業で、今年100周年を迎えた包装資材メーカーです。
主力事業であるパルプモウルド事業では、卵用トレーを中心に、青果物トレー、工業用トレー、ファストフードチェーンでのテイクアウトコーヒー用カップトレーなど、様々な紙製包装材を製造・販売しています。
生産拠点は福岡県の鞍手工場と八戸工場、茨城工場の3拠点体制で、全国のお客様に製品をお届けしています。
弊社とお取引を始める前に、業務や物流などでどのような課題をお持ちでしたか?
大きく2つの課題がありました。
1つ目は、いわゆる2024年問題への対応です。当社は従来100%トラック輸送に依存していましたが、ドライバーの時間外労働規制強化により、輸送遅延や車両手配の困難が懸念されていました。
特に東北や北海道など長距離輸送が多い中で、輸送手段の多様化が急務でした。
2つ目は在庫管理の課題です。当社の製品は季節によって需要変動が大きく、閑散期には在庫が増加し、繁忙期には不足するという「波」があります。
この在庫量の変動を平準化したいと考えていましたが、自社倉庫だけでは保管スペースにも限界がありました。
鉄道輸送のテスト利用で、コスト面の懸念が解消され、本格導入へ
弊社へのご相談や導入を検討された経緯・きっかけを教えてください。
2024年問題への対応を検討していた2023年に、JR貨物様と共同で西久大運輸倉庫さんから、JRコンテナ輸送の提案をいただいたことがきっかけでした。
鉄道輸送はこれまでコスト面で懸念があり、利用したことがありませんでした。しかし、トラック輸送とは全く異なる輸送手段の提案があったことで、輸送手段の多様化につながると考えました。
本格導入の前に、試験的なテスト輸送をさせていただくことができました。
コスト面と輸送効率の両面で問題ないことが確認できたため、本格導入に踏み切りました。
お取引開始後の対応や、担当者とのやり取りについて感じられたことを教えてください。
レスポンスの早さに驚きました。最初のコンテナ試験輸送の際も、担当者の方に早めに積み込み現場に来ていただき、「試してみようかな」という気持ちが熱いうちに具体的な検討を進めることができました。
特に印象的だったのは、社内での情報共有の速さです。誰に相談しても、担当者の方からすぐに回答をいただけます。
新規の依頼だけでなく、請求関連などの細かい部分も対応が早く、非常に相談しやすい環境を作っていただいています。
悩みがあると上手に拾い上げていただき、前向きな解決策を提案してくださるので、とても心強く感じています。
自社倉庫の在庫平準化にも成功し、リードタイムの短縮という派生効果も

ご説明いただいているところ(当社 北九州通運営業所 所長 川崎〈左〉と、大石産業 宮内工場長〈右〉)
弊社サービス導入後、もともとお持ちだった課題はどのように変化・改善されましたか?
まず輸送手段の多様化については、鞍手第一工場の出荷分で、従来のトラック100%から、現在はトラック80%、コンテナ20%の比率に変化しました。
コンテナ輸送は積載量が多く、大型案件でもすぐに手配していただけるため、全体の2割をすぐに確保できるというのは大きなメリットです。
在庫の平準化については、閑散期に増加した在庫を西久大運輸倉庫さんの広島倉庫に保管し、繁忙期のストックとして活用しています。その結果、自社倉庫の在庫平準化に成功しました。広島エリアは販売先が多いため、拠点立地も最適でした。
また、輸送面では当社の商材に適したコンテナを用意していただき、1コンテナでより多く積載できる工夫もしていただいています。
食品関連のトレーが多いため、汚れや異物混入がないよう清潔な管理にも配慮いただいています。
課題解決に加えて、予想していなかった効果や新たに感じられたメリットがあれば教えてください。
広島倉庫からの直接配送が可能になったことは、予想以上の効果でした。従来は福岡から広島のお客様への配送に2日かかっていましたが、広島倉庫に在庫を置くことで当日配送が可能になり、大幅なリードタイム短縮を実現できました。
これにより、ドライバーの運転時間も削減でき、トラック輸送の負荷軽減にもつながっています。また、トラック輸送からJR輸送への転換により、CO2排出削減も実現し、環境問題への対応も進みました。
鉄道輸送は定刻運行のため、計画が立てやすいことも大きなメリットです。さらに、東北や北海道など、従来トラック輸送では躊躇していた長距離輸送も依頼しやすくなりました。
レスポンスの速さと相談しやすい体制が魅力。他部署も含めて新たな課題を一緒に解決していきたい
現在の輸送比率や効果について、もう少し詳しく教えていただけますか。
コンテナ輸送の導入により、輸送手段のリスク分散ができました。2024年問題は継続的な課題ですが、西久大運輸倉庫さんのコンテナ輸送を含めた複合的なソリューションで乗り越えていく体制が整いました。
広島倉庫での在庫管理も、開始から2〜3ヶ月で効果が見え始めています。西久大運輸倉庫さんは全国に拠点をお持ちなので、当社にとってちょうど良い立地にちょうど良い倉庫があったことが、大きなメリットとなっています。
今後の展望や解決していきたい課題について教えてください。
コンテナ輸送については、現在20%の比率をさらに伸ばしていきたいと考えています。ただし、大型車が入れない山間部の養鶏場などではコンテナ輸送の適用が難しく、コスト面も含めてトラックとの使い分けが必要です。お客様との条件が合えば、今後も通運の比率を増やしていきたいと思います。
倉庫活用については、さらなるデータ活用と拠点展開により、在庫平準化の精度向上を図りたいと考えています。
また、当社は各部署で商材や配送形態が異なるため、他部署からの新しい課題についても相談させていただきたいと思います。
もともとあった課題は、かなり解決することができました。今後も新たな課題が出てきた際には、ぜひ相談させていただき、一緒に解決に取り組んでいきたいと思います。